かみ合わせ治療の感想②治療の内容

”最初に、噛んだときの圧力を測る。機械を使い噛み方をデータ化し、グラフィカルな説明を受けた。その後は、噛み合わせをチェックし、最適なかみ合わせになる様に削ったり、足したり。”

かみ合わせは歯並びのように見て分かるものではなく、主観的に判断するのは困難です。当院ではかみ合わせ接触検査装置「Tスキャン」を用いてかみ合わせのバランスを視覚化し、患者さんと検査結果を共有しております。検査結果から治療の妥当性をご理解頂いた上でかみ合わせ治療に入ります。

”虫歯でもない歯を噛み合わせのために削るのだ。初めは抵抗があったが、どうせ日中や夜に自分の歯で削ってるのだから、まぁいいかと。歯ぎしりを長年してると、削れてくる歯が変わるのだ。その時に邪魔になる歯を無意識に削ってるらしい。私の場合、前歯も削れだして見た目も悪くなりちょっと嫌だなという状態だった。削るのとは逆に足すということもする。歯の上に透明な歯の代わりとなる山を作っていく感じ。削ったり、足したり、噛み合わせがぴったりになるまで延々調整し続けた。”

歯ぎしりは顎の関節の機能(潤滑性)を妨げるような、上下の歯のかみ合わせの不具合を除こうとする無意識の擦り合わせ行為であるという側面を持っております。

しかし、人体の中で一番堅い組織である歯のエナメル質を自ら適切に擦り合わせることは出来ず、不適切に削れて悪循環に陥ることが殆どです。Nさんもそのような状況でした。

かみ合わせの治療は「削る調整」「足す調整」を並行して行います。削る調整は最少で21ミクロン(0.021㎜)の精度で行います。そのため、時に「延々と」慎重に調整することとなります。

”私の場合、人より少し多かったみたいで4ヶ月 12回で完成した。途中、昔の詰め物がいまいちだったので詰め直しもしてもらった。地道に噛み合わせの調整をして頂き、いったんの完成形となった。私の感覚ではひとつの作品だ。小野田先生の執念というか、ミリ以下の調整を繰り返し繰り返し、自分の歯の上に理想の噛み合わせを作り上げて頂いた作品という感じだ。”

Nさんは口を開けるときに左の顎の関節にクリックがあり、不安定でした。そのため治療が一段落するのにやや時間がかかりました。当院では通常8回から12回の治療で一段落すると説明しております。それより早く落ち着く方もいらっしゃいますし、それ以上かかることもあります。「自分の歯の上に理想のかみ合わせを作り上げて…」というのはまさに的を得た表現だと思います。

                            ③へ つづく