噛みしめる力が歯を壊している(虫歯編)

夜寝ている時だけではなく、日中でも、我々は無意識の内に強い噛みしめを行っています。姿勢の変化に伴い、その力は一部の歯に集中し、様々な歯のトラブルが生じます。前回は歯に生じる割れ目について取り上げましたが、今回は虫歯の発生について説明します。

下の動画をご覧下さい。

虫歯と言えば少しずつ歯が溶けていくようなイメージではないでしょうか?

しかし、実際には噛みしめによって割れ目が生じ、

食べものや虫歯の細菌が作り出す酸が中に浸透して象牙質を軟化させます


象牙質の裏打ちを失ったエナメル質は、噛む衝撃によって欠け落ち、突然ぽっかりと穴が開き、虫歯だと気がつくことになります。

これは道路のアスファルトが下の土壌の流動化によって陥没してしまうのに似ています。

食べものの嗜好や噛みしめる力の大きさ、あるいはエナメル質の厚みや堅さも皆さんそれぞれです。

従って虫歯の進行速度も様々なのですが、このタイプの進行は数ヶ月で進むこともあり得ます。

定期的に歯科を受診しているのに、虫歯が新たに発見され、治療を繰り返しているというような方は噛みしめの力が背景にあるかもしれません。

かみ合わせのバランスを整えて、一部の歯に破壊的な噛みしめの力が加わらないようにするかみ合わせ治療は、虫歯の進行を遅らせたり、新たな虫歯を作らないようにする予防的な治療と言えます。

つまり「予防的かみ合わせ治療」ということになります。