オープンハート姿勢

患者さんが治療を受けるときにリラックスできる姿勢

・腕は組まずに左右まっすぐ下に伸ばす
・手は握ったり、組んだりせず、手のひらをジャンケンのパーのように開いて天井に向ける
・目はしっかり開ける。目線は頭の頂上の方向に向けて、下に向けないようにする

皆さんは歯科治療を受けるとき、どのような姿勢でいますか?

おそらく多くの場合、手は握りしめるか左右で組んでお腹の上に置いていると思います。目はどうしていますか? 多くの方は目を閉じていらっしゃると思います。

手を握りしめると交感神経が優位となり、緊張が高まることが知られています。だとすると、手を握りしめたり、左右の手を組んだりするのは治療に対して緊張を高めることになってしまいます。

次に目と口が連動していることも確認してみて下さい。我々は驚いた時、目をまんまるく見開きますが、その時口もポカンと開きますね。イラストでも驚いた表情はかならず目と口が開いて表現されます。

歯科治療は口を開けて行う事が殆どですが、目を閉じると、連動して口も閉じようとしてきます。つまり、目と口が相反することを強いられていて、これはとてもストレスで、緊張にも繋がります。

オープンハート姿勢は静岡でご開業の川邉研次先生が御考案された患者さんの治療を受ける際にリラックスするための姿勢です。具体的には

  • 腕は組まずに左右まっすぐ下に伸ばす
  • 手は握ったり、組んだりせず、手のひらをジャンケンのパーのように開いて天井に向ける
  • 目はしっかり開ける。目線は頭の頂上の方向に向けて、下に向けないようにする

目線も重要です、頭の頂上方向に向けると意識を口からそらすことが出来ます。

目を開けていると治療で削りカスや水が飛び散って目に入る恐れがあるので、当院ではゴーグルを装着して防護するようにしております。

オープンハート姿勢の効果は強力です。実際にこの姿勢を取って治療を受けてもらうとその効果は患者さん自身がすぐに確認することができ、いつも行うようになります。皆さん今まで無意識のうちに自分で緊張を強いる行為をしていたことを知ることになります。

患者さんだけではなく我々歯科医師もオープンハート姿勢姿勢について教育を受けることはありません。今後この方法がきちんと普及することが望まれます。